こんばんは。

2020年度センター試験が先ほど終了しました。受験生の皆さんは本当にお疲れさまでした。

物理で出題された電磁気の問題(第2問)と、原子の問題(第6問)を、『物理のエッセンス』を用いてどのように答えが導けるのかを説明したいと思います。所々に該当するページを括弧内に示します(2冊あるので表紙の色も示します)。

まずは第2問です。

Aでは受験物理においては特殊な形のコンデンサーが登場します。戸惑われた方もいらっしゃるかもしれませんが、焦らず基本に戻って考えてみましょう。

図1は誘導かと思いますが、これが仮に無かったとしても十分に解けると思います。『物理のエッセンス』の「導体の性質」という項目に導体の3つの性質について記載されています(青p42)。

A導体内の電場は0

B導体全体は等電位

C電荷は表面に分布

Bの性質により、円筒形の導体の上半分の領域は等電位であり、導線も導体なので繋がっている導線とも等電位であることがすぐに分かります。下半分についても同様です。つまり、この(b)の回路は電池と誘電体のところでのみ電位差が生じる回路ということになります。

回りくどい説明になってしまいましたが、要するにこの円筒形のものの導体部分は、導線と同様の扱いをしてよいということになります。

これをもとに問1を解くことができます。

P、Q、R、Sを導線に置き換えると④が正解となります。

問2は形が少し複雑ですが、落ち着いて導線に置き換えて、回路を整理して下さい。電池、コンデンサー1つ、コンデンサー3つが並列になっている回路だと分かります。3つ直列に並んでいるコンデンサーの電位差の合計が電池の電位差と等しくなるので、解答は②となります。

次にBを解説します。こちらは類似問題を見たことがある方が多いと思いますので、簡単に説明します。

問3のアはローレンツ力の向きが分かっていれば解ける問題です。(青p94)

イは磁場中で荷電粒子が力を受けますが、力の向き、つまり加速度の向きが常に進行方向に対して垂直な方向であることが分かります。つまり粒子は等速円運動をします(赤p71)ので、運動エネルギーは変化しません。よって正解は⑤となります。

問4は力学との融合とも言えますが、それでも基本的な問題と言えるでしょう。

ウでは運動エネルギーの増加量と位置エネルギー(青p37)の減少量が等しいことから等式を立てれば解くことができます。

エはウを用いて計算してももちろん解けますが、定性的に考えて、より質量の大きな物体を加速するにはより大きなエネルギーを要するので、等しいエネルギーを加えた場合は当然質量が大きいほど速さは小さくなると言えます。

以上より、解答は③となります。

第6問について解説していきたいと思います。

原子という分野は高校物理の中では異色の分野であり、苦手意識のある受験生も多いと思いますが、こちらも『物理のエッセンス』に必要なことがきちんと書かれています。それでは見ていきましょう。

問1では、日本の研究チームが関わっているということで注目を浴びた元素、ニホニウムが取り上げられています。

アについて。原子核の反応式においては両辺で質量数の和、そして原子番号の和が等しい(青p151)ということから解くことができます。青p152には類題が載っています。

イについてはα崩壊では質量数が4ずつ減る(青p147)ことから分かります。これも同じページに類題があります。

したがって、解答は⑧となります。

問2では質量欠損と結合エネルギーの話をしています。ヘリウムのバラバラの状態(陽子と中性子)と原子核の質量の差、つまり質量欠損を求めます。それから光速の二乗をかけて結合エネルギーに変換して終了です(青p149~150)。これも青p150に類題が載っています。解答は⑤です。

問3は3種類の放射線に電場をかけるという設定ですが、これも類題が載っていました(青p147)。α線は正、β線は負の電荷を持つことと、磁場中でのローレンツ力の向きを考えれば解けるのですが、一度でもこの設定を見たことがあると有利だと思います。解答は⑥となります。

このように、物理のエッセンスのみを用いたとしても、十分に正解に至ることができると思います。とくに原子分野はすべての問題に類題がありました。物理のエッセンスは問題数がそれほど多くはありませんが、重要な部分はきちんと記されています。

読んでいただきありがとうございました。