昔、熊本大学の医学部を受けた生徒に聞いた話だ。面接でこういわれたそうだ。

「北海道には3つも医学部があるのに、なんでわざわざ熊本に来たの?」

北海道には3つ。それでは愛知にはいったいいくつ医学部があるか、みなさんはご存じだろうか?

答えは4つである。

北海道には国公立の医学部しかなく、私立は一つもないのだが、愛知には国公立2つ。私立が2つもあるのだ。

名古屋大学、名古屋市立大学、愛知医科大学、藤田医科大学 の4つである。

一口に医学部のある大学といってもその様式は様々である。

名古屋大学

名古屋大学は国立大学であり、旧帝大のうちの1つである。医学部を含め、9学部を合わせ持つ総合大学である。全国から受験生が集まってくる一方で、実際には愛知県の高校の受験生が多く集まり、地元色が強くなっている一面もある。

名古屋大学の入学金は282.000円であり、1年間の授業料は535.800円である。この金額はすべての国立大学、すべての学部において一律となっている。6年間の学費の総額は3,496,800円である。

名古屋大学は世界で活躍している大学であり、研究が盛んに行われている。特に癌や、神経・精神疾患(認知症など)の分野に力を入れている。

そんな名古屋大学医学部に入学するには3つの方法がある。一般入試(前期)、一般入試(後期)、推薦入試だ。

一般入試(前期)はセンター試験+2次試験の方式だ。センター:2次=900:1650(2020年度入試)となっており、2次重視型となっている。2次配点は英語500点、数学500点、理科250点×2(物、化、生から2科目)、国語150点。ボーダーは90%、2次偏差値は67.5、倍率3.3。成績上位層が多く受験するため、とてもレベルの高い戦いとなっている。特に数学の難易度が高く、思考力を要する試験だ。150分で大問4題。時間的には余裕があるものの、難易度の高い問題も含まれており、解ける問題を確実に解く必要がある。英語ではグラフや表付きの読み取り型自由英作文が近年多く出題されている。また、国公立医学部では珍しく国語が含まれたのが特徴であるが、2021年度入試から範囲が変更され、現代文のみとなる。面接は行われるが、得点化されない。

一般入試(後期)はセンター試験+面接の方式であり、センターボーダーは91%。、倍率11.0。

以下の問題は2020年度の名古屋大学一般前期入試、第3問である。制限時間150分という中で、思考力を要する問題となっている。抽象関数が出てくるため、問題の意図が読み取りにくく、方針が立てづらい問題である。

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名古屋市立大学

名古屋市立大学は公立大学であり、医学部を含め、他7学部を合わせ持つ総合大学である。医学部、薬学部、看護学部の3学部が揃っているのは名古屋市立大学のみである。

入学金は名古屋市内在住であれば232,000円、名古屋市外在住であれば332,000円であり、授業料は1年で535,800円。6年間の学費の総額は3,546,800円(名古屋市外)である。

一般入試(前期)ではセンター試験+2次試験が課される。センター:2次=500:700。英語200点、数学150点、理科200点、面接150点である。センターボーダーは87%、2次偏差値は67.5。(2020年度)

名古屋大学よりもさらに地元の高校出身者が多く在籍しているように感じられる。

数学な120分で大問4題と時間的な余裕はあるが、標準的な問題を素早く解くタイプというより、じっくりと考えて解く思考型の試験である。枝問の誘導に上手く乗ることが大切である。

また、2021年度入試から理科2科目は化学と物理に限定されるので注意が必要。

以下の問題は名古屋市立大学の2020年度入試、第1問である。複雑な数字の塊は文字で置いてしまうと計算が楽になる。枝問の誘導に沿って進めていけば解くことが出来る素直な問題だろう。

愛知医科大学

愛知医科大学は私立大学であり、医学部の他に看護学部も合わせ持つ。

入学金1,500,000円、1年間の授業料は3,000,000円、6年間の学費総額は34,350,000円。

受験方式は一般入試、推薦入試、センター利用である。

一般入試は筆記試験のみであり、センター試験は含まれない。1次試験は英語(150点)、数学(150点)、理科(100点×2教科)の3教科で、2次試験には小論文と面接を課す。1次試験は1月21日に行われた(2020年度)ようにセンター試験直後であるため、注意が必要。一般入試の倍率は8.1倍で、偏差値は65.0。

数学は80分であり、私立大学では珍しい記述式。問題は標準的な問題が多いが、やや煩雑な計算を含む問題も出題される。特に大問1の小問集合では標準的な問題を多く含むため、手早く確実に得点する事が重要。

以下の問題は愛知医科大学の2019年度入試、第1問だ。紹介している解き方はかなり手間がかかる解き方であり、さらに良い別解がある。解けそうな問題を素早く見極め、時間がかかりそうな問題は後回しにすることが必要。

藤田医科大学

藤田医科大学は私立大学である。医学部の他にも、医療科学部、保健衛生部といった学部がある。

入学金は1,500,000円、1年間の授業料は2,500,000円、6年間の学費の総額は29,800,000円である。

急速に普及が進む手術支援ロボット「ダヴィンチ」において、外科医の基本操作や技術向上を目的とした施設も開設された。臨床と結びついたトレーニングセンターは日本初であり、全国から多数の医師が訪れている。

受験方式は一般入試(前期)、一般入試(後期)、センター利用(前期)、センター利用(後期)、ふじた未来入学試験(AO入試)がある。2019年度では一般入試(前期)の倍率は5.9、一般入試(後期)は24.6、センター利用(前期)は18.2、センター利用(後期)は8.9、AO入試(高3)は5.0、AO入試(高卒)は4.7。一般入試の偏差値は65.0、センター利用のボーダーは84%と多少標準的である分、とても倍率の高い入試となっている。

一般入試の数学は大問1がマーク式、大問2、3が記述式となっている。制限時間内に解き切るには分量が多く、溶けそうな問題を見極めて、素早く計算する事が必要だ。

以下の問題は藤田医科大学の2020年度入試、第3問。標準的な問題であるが計算量が多く、スピードど正確さが要求される。⑶では焦点の性質について理解していなければ解けないであろう。