札幌医科大学は北海道の道立の大学であり、在校生の数を見ても道内の出身が多いことが特徴です。医学部専門予備校である高上。札医の合格者ももちろん出していますので、ここでは高上の札医対策について述べます。

札幌医科大学の特徴。

 札幌でも力を持ち、北海道の地域医療を担ってきた札幌医科大学。麻酔科や産婦人科、心臓外科が有名な大学です。札幌という立地も相まって、全国的にも比較的人気のある医学部の単科大学と言えるでしょう。一昔前には、非常に癖のある入試問題が多く出題されていたのですが、現在では、年によってばらつきこそあれど、比較的安定した標準問題が多くなってきた印象です。

札医の医学部合格者の特徴。

札幌で大学受験指導に携わっているものとして感じていることは、1つに、札医の場合、1点突破型の合格者が多いということです。勿論共通テストの点数は必要です。ただ、二次試験ともなると後述するように理科が厄介であり、英語も受験生には苦手な記述問題を多く含んでいることから、得点開示をした生徒に結果を聞いても、全科目で7割といった点数の取り方は非常に珍しく、みな得意な1つか2つで点数を大きく稼いで合格している印象があります。

1 英語特化型

2 理数系特化型

このどちらかで合格を決めている受験生も多いのです。英語は200点満点でありながら、二けた得点でも合格者が出ています。

面接対策については後述します。

高上の札医の英語対策~記述対策に慣れていく~

小説や、随筆、理系の文章に至るまで、それなりの長さの英文を80分で読み切る必要があるため、受験生には難しいかもしれません。高上では、語彙力強化は言うまでもなく、生徒に毎回記述問題の宿題を課し、それを添削することによってどのような答案を書くべきなのかを指導していきます。

自由英作文も出題されており、今後もこの傾向は続くと思われることから、自由英作文の指導ももちろん含めます。

高上の札医の数学対策~確率と微積分を重点的に~

札医は確率の出題が多い大学です。そして、微分積分においても、面積求値がしょっちゅう出てきます。よって、高上では、札医合格を目指す受験生は、最初の小問集合で全範囲の基本的な問題を踏まえた後に、確率と求積について早めに完成を図ります。

この大学の特徴として、発想は難しくなくても、計算は重い出題がかなり多いので、演習も宿題もその方針に即した問題が多くなります。

札医合格者の数学の得点は、大きく分かれることもあり、英語で失敗しても数学でカバーする例が毎年あるので、数学の対策は念入りに行います。

高上の演習問題は、生徒一人一人に合わせて毎回作っていくため、高い効果が期待できます。

高上の札医の物理対策~標準問題を制覇する~

2023年の大問2のように、抵抗器について問われたりと、札医の問題は

『教科書には確実に載っているけれど、受験生が手薄になりがちな問題』

も出題される印象です。英語と数学の負担を考えた場合、物理の難問まで対策していくのは普段の学習から厳しいと言えるでしょう。高上ではとにかく典型的な問題をきちんと解けるように仕上げて、そのあとの生徒の状況を見て、難問への対処を指導していきます。

いずれにせよ、物理は早めに全範囲を終えることを目標にしていきます

高上の札医の化学対策~教科書の知識を最優先する~

単科の医学部にありがちなことですが、札医も年によっては化学は難しくなります。教科書に載っている知識だけで対応するのが厳しという事態になりがちです。ただ、それでも焦ってはいけません。

教科書の知識が直接問われないからと言って、教科書を疎かにしてよいことにはなりません。

発展事項はあくまで教科書の知識を身に着けてこそ。

高上では、札医対策として、

➀早めに教科書を仕上げる。

②有機分野を特に伸ばす。

この2点を重点的に行います。

高上の札医の面接対策~その特徴を知っておく~

面接後『圧迫面接があったか?』とアンケートで問われることからも分かるように、圧迫面接に関しては敏感になっており、圧迫面接を受けたとの声は私は一度も聞いたことはありません。逆に答えに詰まったときに面接官が助け舟を出してくれて

『接待のようだ』

との感想を持った受験生もいたほどです。

また、これはこの大学に限ったことではないのですが、面接において、圧迫面接こないものの、道外勢には厳しい判定がつくことは多いのです。逆に道内勢には、採点が甘めな印象があります。(この大学の面接点は得点開示においても公表されないため、合格点から筆記の点数を差し引いての概算による。)

札医は、北海道の地域医療の医師不足を解消するために、北海道医療枠(卒業後、9年間北海道の地域医療に携わる縛り)というものを創設しており、とにかくこちらに入学希望する者には、面接の点数が高くなっているようです。

よって高上ではとにかく生徒が

  • 一般枠で受けるのか、北海道医療枠で受けるのかを明確に

しておきます。25歳前後で医者になったとしても、9年間の地域医療従事は時に大変です。大学に入ってから心変わりすることもありえます。なのでこの点の確認は最重要事項としてとらえております。

そして、道外勢(住民票が道外にある場合。)でなおかつ一般枠狙いの場合

  • 道外勢が一般枠で札医を受けることのの大きなリスク

についてもきちんと説明しておきます。

あとは、札医を選んだ理由などをきちんと答えらえるようにして、現在の医学の話題をなぞっておけば十分であると感じています。

道外勢が札医を受ける際の注意点~実際に札医受験にてあった話~

札医を受けるにあたり非常に重要な情報ですから、ここに述べておきます。

高上には、上記の情報を知らずに受けたのでしょう、現役、1浪と札医を受けて落ちてしまい、2浪目で志望大学のレベルを上げ、北大の医学部に合格した元講師がいました。その講師の現役、1浪時の学力を聞いたのですが、私が昔、出先の塾で見ていた札幌在住の受験生よりもどう考えても高かったのです。(受けた時期も同時期)。それでも2年連続で落とされてしまった。3回目の受験で、再び札医を受けた場合、どうなっていたかと考えただけでも恐ろしいです。

逆に、札幌在住で札医に受かった受験生の学力は北大総合理系に受かった受験生と大きく変わらないくらいでした。

道外に住民票を持つ受験生が札医の一般枠を受けることは勧めない

高上の使命は、生徒を合格させること。

なので、本当はHPで上記のような内容のことは言わないほうが良いのは分かっていますが

道外に住民票を持つのであれば、一般枠を受けることは勧めません。

私の元部下は、非常に優秀でした。一浪時にもセンターでは9割近くの高い点数を取っており、あれよりも高い学力をもって札医の受験に臨むのは、なかなか大変だと言えるからです。

医療枠が2025年からさらに拡大されるので、一般枠での面接点は今よりは公平になるかもしれません。しかし、どうなるのかはふたを開けてみなければわからない。

大学受験は医学部受験であっても一回しかチャンスがない受験生もいる以上、札医はもう少し面接に関する情報や、地域医療と受験生の確保について、情報を透明化すべきだと思いますが、一介の受験屋に過ぎない私ができることとしてはこれくらいです。

高上代表 佐藤一行