青チャートの功罪~迂闊に手を出して大失敗する生徒~難なく処理して先に進める生徒~白チャートの力

青チャートは一番売れている数学の参考書である。

数学が苦手と言う学生に「参考書は何を使っているの?」と聞くと9割方以下の答えが返ってくる。

「青チャートです。」

と。

しかし、それを使っても数学の成績が悪い生徒、さらには数学をあきらめる生徒も多々いるのが現状だ。

インターネットでの評価

インターネットを見ていても青チャートの評価は非常に高い。

例題を完璧になるまで繰り返せ

だとか

酷いものになると解き方を全部暗記しろだとか。

高上での見解

ここで私が断言しておこう。

青チャートには、迂闊に手を出さない方が良い。

数学的にも、よくできている参考書であるということは認める。

しかしそれを使いこなせている学生は、使いこなせていない学生よりもあまりにも少ないというのが現状なのだ。

 

ネットの情報の裏側

考えても見てほしい。

青チャートを使ってちょっと数学の成績が上がり嬉しくなった学生はインターネットにそう書き込むかもしれない。合格体験記も書くであろう。

それに対し、数学が得意になろうと思って、青チャートを一生懸命頑張って勉強した結果、自力ではほとんど何も理解できず、成績が上がらなかったことなど、おおっぴらにインターネットに書き込む人がいったいどれだけいるであろうか?

 

かつてはこんな情報も

 

20年ほど前、青チャートを使って「数学は暗記だ」とかそういう学習法が流行ったように思われるし、今もそういう主張をする人は一定数いる。

昨今の入試にはこのような方法では、とてもではないが対応できないといえよう。そのような学習法では。

 

できない生徒の特長

数学が苦手だと言う学生は、みな解く上での必要な知識と計算力がないので、できないことに対する答えが暗記と言ってしまいたい指導者側の気持ちも良く分かる。

ただし、それはその問に対する答えではないのだ。

 

パターンにはめていてできる人、できない人

数学の解法を覚えてパターンに当てはめる形の学習をしていて、受験数学の力がかなり高い人は一定数いるし、医学部の合格者もいる。

私も別にそこを完全に否定するわけではないのだが、青チャートを使っていて、意味もわからず解き方を覚えている学生は、すべからく数学の力が上がらないのも確かだ。

そもそも数学的な意味がわかっているから解法をたくさん覚えられるのであって、逆は正しくない。

数学的な意味がわからなければたくさんの解法を覚えることなど土台無理なのである。

人間、意味のわからない文字式を頭に沢山いれられるようになど脳の構造的になっていないのである。

 

現実は時に非情である。

そもそも、もっとはっきり言ってしまえばどんなに素晴らしい講師に習おうが、効率の良い勉強法を実践しようが、大学受験レベルの数学は能力的に理解できない学生というのも、正直なところ少数ながら確実に存在しているし、別にその学生たちに数学を強要した所でどうなるわけでもない。

数学が出来ないからといって、幸せになる権利を奪われるわけでもなんでもない。

「努力すれば報われる」とか「みんなに才能がある」などというのは生徒数をたくさん獲得したい商業的な塾や予備校の詭弁に過ぎない。

 

チャートの利用法

話がそれた。チャートの話に戻る。

それではまずは最初、どのように学習を開始するべきなのか?

ズバリ私はまずは皆に白チャートを薦める。

教科書でも良いのだが、教科書の場合、体系数学を除き、教科書ガイドを買わなければ練習問題や章末問題などの解説は手に入れられず結構な金額になってしまう。

数Ⅲまでの範囲を1通り終わらせることがまず最優先されるべきなので、白チャートを数ⅠAから数Ⅲまで半年間で終わらせられる学生は、そのなかなかにかしこい頭を使って、次はいきなり赤チャートに行っても大丈夫だろうし、1年間かかった学生はその後青チャートに入ってみると良い。

そして、白チャートの完成までにそれ以上時間がかかる場合は、青チャートは時間的に全て終わらせることはまず無理なので、手を出さないほうがよいというのである。

受験数学はまずは全体像の把握が大事。その意味もあっての白チャートだ。

ここで大事なことは白チャートの内容はすべてきちんとこなすのである。証明も書いてあるから、きちんと理解し、練習問題や章末問題もすべて自力で紙に計算して解く

そうすることで基礎力がつく。

そして、断言できるが青チャートの例題だけ、などというようなせこい学習法をしている学生よりも、白チャートを隅々まで完璧にこなした学生の方が圧倒的に強いし、その後も伸びる

またチャートを一つの種類だけをしたいというのであれば、黄色チャートもかなり優れていることを付しておく。

これも基礎から入試レベルまで一冊で引き上げてくれる良書である。ただし、やはり数学が苦手なのであれば、白の方がよいことは間違いはない。

 

数学で困っているのであれば

意気揚揚と青チャートを手にとってなかなか成績が上がらないと困っているあなた。

背伸びしたくなる気持ちはわかるが、是非基礎の大切さをきちんとかみしめる意味でも、白チャートを購入し、1冊まずはきちんと終わらせてみることを目標にしてみてはいかがだろうか?

白チャートと数学の過去問だけで、使い方によっては、驚くほど多くの大学で合格点を取れるのだから。

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