なぜ数学が苦手な受験生が多いのか? 現実的な観点から考える。

「数学が苦手だ」

「数学だけは嫌だ。」

「数学が得意なら医学部に受かったのに。」

「数学が嫌いだから文系を選んだ。」

「数学なんて何の役にも立たないじゃん。」

こんな言葉を聞いては、数学が好きな私は少し寂しい気持ちになる・・・。

 

 

 

 

みなさんこんばんは。高上代表佐藤一行です。

本日は、数学がなぜこんなにも毛嫌いされているのか、そして、どうしたら得意になるのか現実的なな観点から考えます。

①青チャート信仰

いきなり何を言い出すのかと思われるかもしれませんが、私は生徒に基本的には青チャートは勧めません。数学の才能が普通の生徒では、とてもではないですが、あの参考書をすべて使いこなすのは不可能ですし、巷で言われているように、例題を何回も覚えるまで解き直したところで大した力はつかないからです。

青チャートが悪い本だと言いたいわけではありません。非常によくできているとさえ思います。ただし、それは数学が得意な一部の生徒に対してだけに当てはまるのであって、進学校100人の生徒に青チャートを渡したとして、独学であの問題をすべて演習し、理解していけるのは1人いるかどうかといったところでしょう。中途半端に進めていける生徒ならたくさんいるでしょうけれど。それだとあまりに効率が悪いし、効果も低いのです。

よって私は

「青チャートに縋りつくのは止めておきなさい」

と受験生には注意します。数学が苦手という生徒はたいてい青チャートを一人で進めようとして、分からなくて、解法を覚えようとするも意味がわらかないものは覚えることもできず、結局最後には自分は数学が苦手だと思い込んでしまうものなのです。

青チャートについては、こちらに詳しく書いています。

また、一応触れておきますがFOCUS GOLDなどなおさら薦められませんよ。あれだけ基礎的な内容に薄く、問題ばかり載っていても、数学的な意味がとらえにくいです。

②計算力不足

本屋を見てみてください。所せましと数学の参考書が並んでいます。しかし、よくよく見てもらいたいのですが、計算力を高めるための参考書や問題集は驚くほどに少ない。計算を前面に押し出した本などあまり売れないでしょうから、そういった商業的側面もあるのでしょうけれど、これでは学生の計算力などそうそうつかないでしょう。

『合格る計算』など有名な本はありますし、これを薦めている受験関係者は多いです。この本も基本概念の習得と計算力を付けることを目標に、それなりによくできてはいるのですが、私はこれを薦めている人が一体どれだけこの本ときちんと向き合ったことがあるのか?といぶかしくなります。

私立特有の癖のある計算演習問題が多いのです。

ああいう問題を解くくらいなら、もう少しきちんとした計算問題を解いた方が良い。もちろんそういう私立特有の問題を解かずに進められるのであれば、それはそれで良いでしょう。ただし、その判断は受験生にはつけにくいですし、やはり参考書や問題集を購入するからには、受験期で、苦手分野の克服にのみ使用する場合を除き、最初から最後まできちんとこなすべきなのです。

そのほかにもイチから鍛える高速計算SONICという本や、駿台のカルキュール数学などもありますが、やはり決定打には欠ける印象です。

それもそのはず、こういう問題集は、みなさんが学校で購入することになる、傍用問題集の量には遠く及ばないからです。それでは傍用問題集を持っていて、定期試験でもがんばっているはずなのに、なぜ計算力もつかないのでしょうか?

 

③傍用問題集の使いにくさ。

傍用問題集は生徒に人気がありません。無味乾燥に感じられるからでしょう。しかし、こういう問題集をきちんとこなしてこそ、数学の確固たる計算力の土台ができるというもの。計算ばかりに時間を割きたくないのであれば、比較的簡単な問題集、例えば『イチから鍛える数学演習10min』と併用してでもいいので、計算力は高めるべきです。しかしそうする生徒は極端に少ない。なぜか? 学校によっては傍用問題集を使うにあたり、詳しい別冊回答を配ってくれないからです。考えてすぐわからないからと答えを見ていては数学の力はつかないので、学校の意図は十分わかるのですが、現代の子にそのような数学の勉強法を提示しても受け入れられにくいでしょう。

 

④教える側の問題。

そして大きな要因の一つとして、教える側が、生徒の目先の正解を優先してしまうあまり、生徒一人一人に考える時間を与えられていないことも原因でしょう。私も塾を経営していてわかるのですが、定期試験が間違に迫っているときなどは、ついつい解き方だけを生徒に覚えさせて目先の点数を稼ぎたくなるというもの。保護者からの要求が強い場合は、なおさらそんな傾向になってしまうかもしれません。これは大きな間違いなのに。

 

では、どうすべきなのでしょうか? 以下上記の問題点に一つ一つ具体的な解決策を提示します。

①´青チャート信仰への対処法

白チャートです。私は、生徒に白チャートを頻繁に薦めています。この本であれば独学も可能ですし、練習問題のレベルも抑えられているからです。白チャートの内容をすべて理解していれば、河合の全統記述で偏差値65程度は簡単に超えられます。白チャートはそれだけ内容の厚い本なのです。青チャートの例題のみを解くと言ったせこい勉強方法をしている学生は、白チャートを隅々まで演習、理解している学生には勝てません。そして白チャートを素早く終わらせることが出来たなら、青チャートなり、重要問題集なりに進めばよいのです。白チャートはよくできていますよ。決して侮らないことです。そして、『難関大学を目指している者は青チャートだ』とか、『自分には数学の才能があるから青チャートから始めなければ駄目だ』と言ったくだらないプライドは捨てることです。

『難関大学を目指しているからこそ、基礎を大事にまずは白チャートを制覇だ』

これくらいの気概があってよいのです。

 

②´③´ 計算力をつけるには

学校から傍用問題集の詳しめの別冊回答をもらえているのであれば、そのまま傍用問題集をきちんと学習しましょう。もしもらえていないのであれば、シグマ基本問題集がおすすめです。例題を理解したのであれば、例題の解説ページなど、何も見ないで自力で計算をしましょう。

「公式を忘れた」

などと言って、すぐに公式を暗記しようとしていてもいけません。自力で公式を導く努力をするべきです。

 

④´どのような講師に習うべきか?

生徒一人一人にきちんと考えさせて正答へと導ける講師です。私は、生徒一人一人にきちんと考える時間を与え、計算させて、『分からない』と言われても簡単に正解を教えたりはしません。ヒントを出して、なるべく自分自身で解けるように導きます。

そうやって、生徒一人一人が考えて『正答できた』という経験をつけさていく。初めの一歩はここにあります。そのような経験を、正解を安易に伝えることで奪うべきではないとさえ私は思っています。

高上は札幌に小さい1教室があるだけです。中には住んでいる場所が遠くて、高上に通えない学生もいます。そういう学生のために、演習中心の塾を探すこともあるのですが、その数が非常に少ない。

習っていてばかりでは、数学の力など決してつかないにもかかわらず。

高上では、このような観点から理系科目では必ず演習時間を設定しております。

 

 

終わりに。数学を学ぶことの意義。

『数学は役に立たないから、学ばなくていい』などというのは愚かです。

新課程で導入される生活と数学とかを見ていて、私は嫌悪感すら覚えます。

数学ってそんなものなのでしょうか?

実生活で役に立たなければ学ぶ価値はないのでしょうか?

私は英語が得意です。数学は好きです。英語という言語よりも、ときにずっと美しく見えるから。英語の学習に疲れ果てた私が、そんな数学の美しさにほんの少しでも触れた時、喜びさえ感じられるのです。

それは、たくさんの暗記科目にさらされ、無味乾燥な膨大な暗記を強いられる受験勉強で疲れ果てた受験生にも同じではないでしょうか?

喜びを与えてくれる学問。

役に立っていると言えませんか?

数学を何とかしたい。数学をもっと得意にしたいがどうすればいいかわからない。偏差値を65から80まで上げたい。一度でいいから偏差値90を超えてみたい。

そういう方は遠慮なくこちらからお問い合わせください。

高上代表 佐藤一行

 

 

 

 

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