なぜ医学部受験に失敗したのか。現実に目を向けろ~現役生編~

~本番で緊張して力を出せなかったことも含めて、すべては己の実力である~

みなさんこんばんは。高上代表 佐藤一行です。

これを見ているということは、おそらくこの記事の読者の方は現役で医学部受験をして、結果、その医学部受験で失敗してしまったのでしょう。

成功した人は読む必要のない記事ですし。

大学全入時代が叫ばれて、多くの大学がAOや推薦で入れるようになった今も、医学部受験熱は冷めません。このご時世に、手に職を付けたかったり、最も難しい学部に挑戦したかったり、人を助けたいという強い想いがあったり。

私は動機は問いません。勉強するのは本人ですから。保護者が本人の意思に反して医者になることを強制している場合を除き、本人が医学部に入りたいと願い、高上の門をたたくのであれば、今の偏差値に関係なしに受け入れています。

それでも60%を超える合格率を誇っているのは、私が現実に即したこと、時に厳しいこと、を生徒本人にも保護者の方にも言うからです。

今回は、医学部受験に失敗した具体的理由をいくつか挙げていきます。

現役生の場合

部活を頑張っていて勉強時間が足りなかった場合などは、単に勉強量自体が足りていません。現役生の中でも本気で部活を頑張れた人は、浪人しても勉強にも身が入るというもの。予備校に通う場合、不必要なコマは切って、必要な授業は徹底的に予習復習をしてものにしましょう。

現役で三年間勉強をきちんとしたつもりなのに落ちた場合。

敗因をきちんと分析しましょう。共通テストで失敗したのか、二次試験で失敗したのか。その場合どの科目であるのか。私の見立てでは、北海道の現役生は、進学校と言われる高校の出身であっても、とにかく理科の進度が遅く、理科で差をつけられることが大半です。例えば、関東で毎年多くの東大合格者を輩出するような開成や麻布と言った高校は、年度にもよりますが基本的に高校三年生の夏までには理科は全範囲終わります。また、九州の高校であれば、朝8時から授業が行われたりと、受験熱は高いのです。一方、ここ札幌で長いこと指導をしてきた私ですが、進学校と言われる高校であっても、夏までに物理、化学の指導がきちんと全範囲終わっていることなど記憶にありません。

数学一つとっても北大の数学は難化しておりますし、理科で点数を稼げなければ、医学部の合格は難しいのです。

落ちた理由が数学である場合。

これも非常に多いです。模試ではできたのに本番ではできなかった。

はっきり言ってしまえば、勉強の仕方が間違っています。

問題が解けない場合、すぐに答えを見て、解法をたくさん覚えて、当てはめるような勉強方法をしていませんか?

定期試験や、簡単な模試、例えば河合塾の全統記述模試などではそれでも点数がとれるものです。

しかし、本番ではそうはいかない。有名大学と言われる大学の教授陣は、普通の予備校の講師と比べた場合、数学の能力一つとっても雲泥の差があります。よって、今まで見たことがある問題ばかりが出題されることはまずないのです。

機会があれば別の記事で詳しく書きますが、北大の数学の難化などから判断するに、この傾向は顕著です。

要は、教科書の理解がきちんとできているのかどうか。

いたずらにテクニックに走ることなどなく、基本的事項をきちんと理解できているのかどうか。

この辺りが問われます。

それでも巷には、青チャートの例題を覚えましょう的な解法暗記型の学習法がいまだに蔓延っています。

ここで断言しておきますが、青チャートの例題を全部覚えたからと言って、医学部受験の数学にはろくに通用しません。

そんな中途半端な勉強をするくらいなら、章末問題を含めて、白チャートを隅から隅まできちんと自力で解いた方が良いのです。

解けないからと、すぐに答えを見ることなく、本気で解こうと努力したからこそ、解答を見た時に印象にも残り、理解にもつながる。こんなネズミの脳の研究でも証明されているような事象を、受験生は肝に銘じておきましょう。

本気で解こうと紙に書いて自分の力で頑張るから、数学の力はつくのです。

演習をしても解けなかった場合はなぜなのか?

受験生の中には

「私は数学を解けるように本気で頑張ったのに、本番では及ばなかった」

そう思っている受験生もいるでしょう。

その場合、問題のレベルが適正であったかをきちんと見るべきです。

北大の例を挙げますと、今年の問題で1⃣の複素数平面、3⃣の微分は解けましたか? 

これが解けなかったのであれば、やはり普段の問題の選定がよくなかったのでしょう。

逆に4⃣の確率に関しては、解けなくても大きな問題にはなりませんでした。

結局、最頻出の分野である微分積分の力は伸ばしつつ、標準的な問題でも穴を作るべきではない。

よって微分積分の演習を徹底的にした上で、他の分野も標準的な問題は解けるようにするべきなのです。

複素数平面が入試本番で毎回出るわけではないからと、勉強しないというのは本人の怠慢以外の何物でもありません。

時間を測っていたのか?

これもよくありますが、数学を粘り続けて、他の勉強がおろそかになった場合。試験時間は限られていますし、科目は数学だけではありません、そうなると、数学の一つの問題を一晩かけて考えるというのでは、あまりに効率が悪いです。

また、数学を解けないのは、単に必要な知識が足りていない場合も可能性もあります。

よって一つの問題を粘れる最大の時間を、2時間程度にするとか、目安はつけたほうが良いと思われます。

特定の問題を、知識もなしに解こうと粘ることはあまりに効率が悪いので。

本番では試験時間がありますし。

最後に。

受験には、勢いが必要です。人間は忘れる生き物なので、学力を維持するためだけにも勉強が必要です。正直、社会も古文も漢文も、時に数学さえ、全然面白くないと感じる人もいるでしょう。だからこそ、本気で医学部に入りたいのであれば、勢いがある若いうちに、医学部合格の栄冠は勝ち取っておくべきなのです。

数年前、高上から北大の医学部に入った学生(現役)は、秋の段階で数学の力が不十分でしたが私が問題を選定し、徹底的に演習させたので、何とか間に合い、本番は余裕を持って合格できました。

ただ、これは本人の能力が高く、問題の選定がかなりうまくあてはまっての結果。

私は責任がある立場なので言いますが、高上で徹底的に演習しても、こんなに短期間に成績が上がる例は珍しい方なのです。

ただ、味方を変えれば今回落ちてしまった現役生は逆にあと一年もあるのです。

ぜひとも自分に厳しく、本気で演習することをお勧めします。

本気で頑張る受験生には、強い味方になれますよ。高上は。

高上代表 佐藤一行

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