このページではそれぞれの大学の数学の特色をまとめました。
一口に『医学部の数学』と言っても その難易度には大きな差がある。
医学部受験において数学の学習は必須です。帝京大学を除き、数学の勉強なくしては医学部受験はできません。
ただし、医学部の数学と言ってもその問題レベルは様々です。ここでは難しいと言われている医学部を中心に、大学ごとの数学の特色をまとめています。
A group ときに高校の教科書には載っていないような事項を出してくる、独自対策が必要な私立大学
例) 慶応、慈恵、順天などの私立の医学部。
このタイプの大学は、独自色が強く、その大学の傾向がかなり強く反映される傾向にあります。意図的に問題を複雑にしている問題も散見されます。その反面、穴埋め形式であり、答えだけ求まれば正解になり、数学的な論理性を見られない場合も多いです。よって限られた試験時間内に要領よく答えにたどり着けるよう演習していく必要があります。
B group 難問の処理が合否を分け、完答ひとつできるかどうかで 結果は大きく異なる単科系医学部。
例) 東は東京医科歯科、西は京都府立医。
かつては、滋賀医や札医、旭医などでも見受けられたのですが、これらの大学は近年は標準問題を出してくる傾向が増えたので、このgroupからは除外しております。
この両大学は、単科系医学部としての最高峰で、その数学の問題は難解な問題が多く、数学の合格点はあまり高くなりません。よって、数学の完答一つできるかどうがで、合否が大きく変わってきます。ただ、これらの大学の難しい問題が出る分野はある程度しぼられてくる(東京医科歯科の逆関数、京都府立医の多面体など)ので、難しい問題であっても対策を立てることは可能です。逆に対策を立ててもできないくらい難しい場合は、全問が難しいことはこういう大学でもないので、捨てて他に当たるという作戦も立てられます。
『受験数学をマスターしなければ受からない』
ということはないので、その点は安心してください。
C group やや難しいレベルの問題の素早い処理能力を求められる国公立医学部(東大理Ⅰよりは若干簡単)
例)北大、神戸大、九州大、東北大 千葉大 横市医、滋賀医 など。
北大は以前はこのGROUPには入っていなかったのですが、最近は難化しているのでここに入っています。こういう大学では、試験時間の割に、問題数が多いことが挙げられます。ただ、難化傾向にあるとは言っても、一題一題のもつ重さは限りがあるので、標準問題を確実に処理する力をつけることが最優先です。
これらの大学の医学部の場合、単純な難易度比較はしにくいですが、『東大理Ⅰ』よりは若干入りやすい印象があります。
D group 計算の重い問題を数多く含む国公立医学部(東大理Ⅰよりも難しい)
例) 名古屋大学 大阪大学
この2大学に関して言えば、もちろん標準的な問題も出ますが、ときに非常に計算が重い問題が出る印象です。これらの大学の医学部合格となると、一般的な東大理Ⅰの合格ラインよりも受験生の実力は高いと言えるでしょう。
過去問をきちんと使用することも大事ですが、頻出分野と受験生本人の得意分野をきちんと一致させておくことが大事です。
E group 難易度として日本の頂点にある2大学。
既視感は少なく、高い計算力を求められる東大。高い論証能力を求められる京大。2023年現在、東大の難化傾向は最近顕著で、おそらくこのレベルが標準的になったと考えてよいでしょう。京大と言えば、一見解き易そうに見えたとしても、数学的に論理的な論述できていなければ大幅な減点はさけられません。
そして、難易度の上では西と東の頂点にある2大学ですが、過去問の学習が非常に効果的である点は一致しています。高上では、ときに私が生まれる前の入試問題にまでさかのぼることで、生徒一人一人が解くべき過去問をプロとして選定していきます。
採点も相当に厳しく行います。
結論~入り口は変わらない~
問題の傾向こそ違えど、 結局は基礎力を身に付けることから始まり、 そこなくしては独自対策には進めません。
高上では、 生徒の能力と行きたい大学に合格するまでに必要な勉強量を我々講師陣が見定め、受験当日までの期間から逆算した上で演習を行わせています。
効率化を図り、わかりやすい参考書を使うこともありますが、 理系科目においては教科書に漏れがないか教科書が深く理解できているかを特に大事な指導基準としております。
結局は 教科書の理解もままならないまま練習ばかりしていても仕方がありませんし、独自対策になど進めないからです。
生徒がつまずく箇所には 何回も類問を解かせることで徹底的に定着をはかります。
宿題においても、とにかく本番までの時間を逆算し、生徒に必要な演習課題を与えます。
本番では誰も助けてなどくれません。
自分一人で問題と対峙します。
だからこそ高上なのです。