受験生諸君へ。秋を迎えて~どの問題集を使用すべきか~数学編。

みなさんこんばんは。高上代表佐藤一行です。

今の時期新しい問題集になど通常手を出すべきではないのですが同じ問題集ばかり使っていても仕方ない。よって本日は、この時期から使用すべき問題集とそうではない問題集について、私の判断で述べておきます。レベルとしては、難関大学を目指していて共通テスト対策は概ね終了しており、冠模試の偏差値は55程度。判定はC判定だと想定してください。全く勉強が苦手な生徒は想定しておりませんのでご了承ください。

使用すべきでない問題集

①新数学演習

大学への数学が誇る難関大学への問題集の決定版。実はこれ20年ほど前からあって、当時はもっと問題は難しかったのですが、東大受験生への配慮からでしょう、今の新数学演習は、東大の問題の掲載は極端に少ないのが特徴です。

『東大の過去問は他で体系的に学びたいだろうから、ここでは別の問題を載せます』

という東京出版の意図が見て取れます。単科系の医学部の良問を中心に、本自体はよくできているのですが。

それでも、今からこれを使うべきではありません。到底終わらないでしょう。苦手分野だけ使うにしても重すぎます。

②青チャート

これも言わずもがな。問題数が多いです。すでに青チャートの8割が終わっているなどという場合は話は別ですが、数Ⅲを仕上げるのに青チャートを使っていてはとてもではないですが今からでは間に合いません。理論もしっかりとしていて、数学の参考書の代名詞的な参考書ですが、例題だけを解いても、実力は到底固まりません。赤チャートは言うまでもありません。

③FOCUSGOLD

青チャートよりも問題数が多いので、当然の話です。また、こちらの問題集、問題は標準から少し難しい問題の数だけ非常に多く、例えば東大で合否を分けるような難易度の問題は実は少ない印象です。これだけ分厚いと、学習方法を間違えば、一周終わるころには最初に学んだことがさっぱり頭に入っていないという状況にもなりかねません。

④東大の理系数学25か年

有名な赤本です。ただし、これも使用に注意が必要。きちんとした答案と別解が与えられているのですが、発想の部分は学びにくく、冠模試で偏差値が55であるという状況で、使用しても消化不良を起こします。よって、この本を使いたいのであればまずは難易度AとBの過去問のみ徹底的に演習するとか、メリハリをつける必要があるでしょう。駿台の過去問も同じ理由でお勧めしませんが、使用したい場合は同じように使いましょう。

⑤入試数学の掌握

これは知る人ぞ知る問題集です。エール出版の最高傑作と言えるでしょうが、難易度が高く、問題が古いです。こちらは発想方法はきちんと学べるのですが、偏差値が駿台全国で70を超えている人向けです。無理して使用しても消化不良ばかり起こしてしまいます。

⑥数学の真髄

これは東進の新作です。数学の文字や条件を論理的に正しく考える方法を述べています。ただし、普通の受験生には非常にとっつきにくく、学べる範囲も残念ながら限られています。今の時期に手を出すべき本ではないでしょう。

⑦模試の過去問

具体的な名称は出しませんが、この時期、模試があるからと、模試の過去問を解こうとする受験生もいます。しかし、残念ながら模試の過去問は、問題の質が実際の入試問題よりも大分劣る場合は多いです。予備校の講師と、大学の数学の教官の力量差から当然のことと言えるかもしれません。今年の東大の体積求値などその最たる例でしょう。模試の過去問を見ていてもあのような問題はありません。そして、責任感のある予備校講師の中にはこの点をはっきりと認め

「東大の先生達の方が自分たちよりも優秀なのだから、模試の過去問よりも東大の過去問を解きなさい」

と断言される講師までいます。これぞ講師のあるべき姿と言えるでしょう。自身のメンツよりも受験生の合格を優先してこその発言です。

 

使用すべき問題集

それでは、この時期に何を使用すればよいのでしょうか? それぞれの番号に対して、代わりを述べていきます。

①´理系数学 入試の核心~標準編+難関編~

こちらは、Z会の問題集であり、問題数がかなり絞り込まれているのが特徴です。標準編のみでは、まだ穴がありますかあ、たった60題の難関編まできちんと行うことをお勧めします。新数学スタンダード演習でもよいのですが、Z会の二冊よりも圧倒的に問題数が多いです。よって使用する場合はBランクまでとか自分で限定する必要が出てきます。

②´黄色チャート

青チャートには時間がなくても、黄色チャートであればなんとかなることもあるでしょう。その場合、まずは章末問題を先にきちんと行い、分からない部分を例題に戻り、練習問題を解くというサイクルを使用しましょう。断言できますが、冠模試で偏差値55であれば、青チャートよりも黄チャートです。このレベルで躓いているから、それくらいの成績になっていることが非常に多いです。

③´体系数学

黄色の表紙の本ではありません。数研の出版している本屋でも買える教科書です。FOCUSGOLDが体系的な学習に向かないのに対して、こちらは門練習問題の別冊回答まであり、非常によくまとまっています。ただし、問題の難易度は、そこまで高くないので、そこは注意してください。あくまでこの時期の学習であることから、独学も容易で進みやすい体系数学を挙げました。

④´東大理系数学系統と分析(技術評論社)

東進の東大コースの講師が書いた本であり、非常にまとまりがあります。問題総数はたった100。東大の過去問集の中ではもっともよくまとまっているでしょう。数学の本質的な部分に要領よく触れています。東大の過去問をこの時期から使用する場合は、これくらいの問題数が限度ではないでしょうか? もう少し有名な東大理系数学で一点でも多く取る方法も良いですが、解説がやや冗長な印象を私は受けました。また泥臭い解法というのは、時に正解にたどり着くのに相当な時間のかかる解法であるということも認識しておかねばなりません。

⑤´上級問題精講

これはご存知の方も多いでしょう。非常にまとまった問題集です。難しくない発想を学び、きちんと解答にたどり着く方法を提示しています。ただし、これを上下ともに解き切る時間はないでしょうから、微分積分や、自分の得意な分野に磨きをかけるのに使用しましょう。苦手分野の学習には、焦らずに一つレベルを下げて標準問題精講の方が良いです。このシリーズには分野別の問題集もあるのも特徴です。

⑥´やさしい理系数学

入試数学の掌握は割と出版されてから時間が経っているので、こちらも有名な問題集から。やらしい理系数学です。てんちむが弟さんに受験数学について尋ねた時にまで名前が上がるほど有名な問題集です。全然やさしくない理系数学などと言われており、一つの問題に対して、解法が複数提示されるだけであり、発想方法についてはほとんど触れられていません。ただしこの問題集、巷で騒がれるほど難しい問題集ではないように感じています。よって、苦手分野を学びたい場合など、利用するのも一つの手です。

⑦´重要問題集

最も多くの受験生に進められる問題集は、重要問題集であり、先の予備校講師の発言にも通じるものがあります。すべてが選りすぐりの過去問。化学や物理では非常に有名ですが、数学においても非常に良くまとまっています。よって、微分積分の演習やから苦手分野の克服まで幅広く使用することが可能です。

またこの問題集は、毎年改定がされており、最新の傾向を追い続けてると言えます。

入試問題集がその年の入試問題のみを取り扱っているので、体系的に学ぶにはやや不向きであるのに対して、重要問題集はかなり網羅性も高いです。そして言わずもがな、数研の問題主だけあって、解答が非常にしっかりしている。300問程度の全てを解くことは困難でしょうから、微積分と自身の大学の頻出分野をまずは優先させましょう。

高上としても、お勧めの一冊です。

終わりに 問題を解くということ

どれだけ人気のある本を使おうが、どれだけ人気のある講師の授業に出ようが、結局は、本人が自分に適した問題を解くのを上回ることはできないのです。そして受験数学には、それぞれ大学の特徴がかなり反映されます。札医は確率が好きであったり、慶応の医は、微積が重かったり、東大は空間が好きなのに対して、京大は鮮やかな論証を求めていたり。

限られた時間の中で結果を残すには生徒一人一人の特徴と能力を正確に把握し、本番までの時間と傾向をにらみながら、演習をさせる必要があるのです。そしてここが高上の最も得意な部分と言えるでしょう。

本番で解けないよりは、今解けないほうが良いというもの。高上では、上記の問題集の解説+二次試験対策の演習から、生徒一人一人に合わせて作ったプリント演習まで、幅広く対応可能です。

ぜひ、高上で、自分一人で、自分一人のために作成された問題に、自分一人だけで対峙してみませんか?

お問い合わせはこちらからお気軽に。

高上代表 佐藤一行

 

 

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