教科書に記載されている知識のみを使って最高位難度の入試問題に対応できるのかを解説とともに検証します。

こちらが問題になります。

高上~化学探求ブログ~教科書のみで最高難易度の大学入試化学

解答

(1)E,F (2)Gln-Asn-Cys

(3)(分子量)331.0 (配列)Cys-Pro-Leu

(4)Cys-Tyr-Ile-Gln-Asn-Cys-Pro-Leu-Gly

 

解説

(2)~(4)実験前の文章「オキシトシンは9個の~環状構造を持つ。」によりシステイン同士がジスルフィド結合をしているため、Cysは2つ以上あり、1つはN末端にあることがわかる。

(実験1)オキシトシンは9つのアミノ酸からなり、8種類のアミノ酸が同定されたので、複数あるはずのCysは2つであり、それ以外のアミノ酸はそれぞれ1つずつ含まれることがわかる。

(実験2)反応1はキサントプロテイン反応で、Tyrの有無がわかる。反応2は硫黄の検出反応で、Cysの有無がわかる。まとめると、

ペプチド 配列 反応1 反応2
(ジ)A

(ジ)B

(ジ)C

(ジ)D

(トリ)E

(トリ)F

Leu-□

Asn-Cys

Cys-Tyr

Ile-□

Gln-□

Cys-□

 

 

Tyr

 

Cys

Cys

 

Cys

Cys

 

(実験3)表中のアミノ酸の不斉炭素原子(*C)数を調べると、

*C0個…Gly

*C2個…Ile

*C1個…その他

となる。

 

まとめると、

ペプチド 配列 *Cの数
A

C

F

*Leu-Gly

*Cys-*Tyr

*Cys-□-□

1

2

3

 

(実験4)C末端はGlyであることがわかる。よって、C末端から得られたジペプチドはAであったことがわかる。

 

(N)Cys-□-□-□-□-□-□-Leu-Gly(C)

 

(実験5)Fの元素分析より、

C:H:N:O:S=::::

≒14:25:3:4:1

※組成式は原子同士の比であるのでFの分子量がわかっていなくてもよい。

 

組成式はC14H25N3O4Sとなり、N原子やS原子の数より整数倍は不適。よって、Fの分子式は組成式と等しくなる。ここで、Fはトリペプチドであるためペプチド結合を2つ含む。加水分解後のFに含まれていた3つのアミノ酸の分子式の合計は、加水分解前の分子式に水分子を2つ加えることで求められる。よって、加水分解後のFに含まれていた3つのアミノ酸の分子式の合計は、

C14H25N3O4S + 2H2O  = C14H29N3O6S

ここからCysの分子式を引くと、

C14H29N3O6S - C3H7NO2S =C11H22N2O4

となり、これは残り2つのアミノ酸の分子式の合計である。この分子式より、Fの残り2つのアミノ酸の側鎖にはN、O、Sはない。

また、Leu、Proの分子式はC6H13O2N、Proの分子式はC5H9O2Nであるから、Fの残り2つのアミノ酸の組み合わせは、(Ile、Pro)または(Leu、Pro)となる。ここで、実験3の結果よりFに含まれている不斉炭素原子の数は3つであるため(Leu、Pro)となる。

さらに、ジペプチドAの構造はLeu-Glyであり、LeuはN末端側に使われているため、Fの構造はCys-Pro-Leuと決定する。

 

(N)Cys-□-□-□-□-Cys-Pro-Leu-Gly(C)

 

また、先端のCysはジペプチドCに含まれていることがわかる。Bの構造はAsn-Cys、Eの構造はGln-□-Cysであるので、

 

(N)Cys-Tyr-□-Gln-Asn-Cys-Pro-Leu-Gly(C)

 

よって、最後に8種類のアミノ酸のうち残っているのはIleが入る。よって、オキシトシンの構造は、

(N)Cys-Tyr-Ile-Gln-Asn-Cys-Pro-Leu-Gly(C)

この問題を解くために必要な知識はすべて教科書に掲載されています。教科書を使って知識の整理をすることが大切だと思われます。そのうえで多くの問題を解き、慣れていくとよいと思います。

 

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